漏電したらどこに連絡?住居タイプ別の連絡先・費用・火災保険まで徹底解説!

漏電したらどこに連絡?住居タイプ別の連絡先・費用・火災保険まで徹底解説!

「突然ブレーカーが落ちた」「家電に触れるとピリピリする…」それは、火災や感電事故につながる危険なサイン「漏電」かもしれません。漏電は目に見えないため、不安や焦りを感じるのも無理はありません。

しかし、正しい知識を持って迅速に行動すれば、安全を確保し、被害を最小限に抑えることができます。

この記事では、万が一漏電が疑われる際に取るべき行動を網羅した完全ガイドです。お住まいの状況(戸建て・賃貸・マンション)に応じた正しい連絡先から、ご自身で安全にできる漏電のチェック方法、修理にかかる費用の相場、そして意外と知られていない火災保険の活用法まで専門家の視点から徹底的に解説します。

この記事を読めば、いざという時に落ち着いて最適な行動が取れるようになります。

信頼できる電気工事業者をエリアごとにご紹介しています。

【最初に確認】漏電かな?と思ったら!住まい別連絡先早見表

【最初に確認】漏電かな?と思ったら!住まい別連絡先早見表

漏電は一刻を争う事態になる可能性があります。まず、ご自身の状況に合わせてどこに連絡すべきかをすぐに確認できるよう、以下の早見表をご活用ください。

住まいのタイプ 漏電が起きている場所 第一連絡先 連絡先のポイント
戸建て 自宅全体 電気工事会社、または電気保安協会 調査から修理まで一括で依頼したい場合は電気工事会社がおすすめ
賃貸(アパート・戸建て) 自分の部屋 管理会社・大家 自分で業者を呼ばず、必ず先に管理会社・大家に連絡
分譲マンション 自分の部屋のみ 電気工事会社、または電気保安協会 まずは管理組合に連絡し、指定業者がいるか確認するのも一つの方法
共用部・他の部屋も 管理組合・管理会社 漏電箇所が共用部の場合、費用は管理組合負担となる可能性が高い

電気工事会社

電気工事会社は、漏電の調査から原因特定、そして修理までを一貫して行うことができる専門業者です。漏電箇所の特定と、その場で必要な修理・改修工事を行います。

コンセントの交換、配線の引き直し、ブレーカーの交換など、根本的な解決が可能です。緊急性が高く、安全が脅かされている状況では、有料であっても即時修理が可能な電気工事会社を選ぶべきです。

費用

調査は有料となるのが一般的で、費用相場は10,000円〜30,000円程度です。ただし、この費用には修理費は含まれず、別途工事費が発生します。

最適なケース

「焦げ臭い」「火花が見えた」など、明らかに危険な兆候があり、一刻も早く修理まで完了させたい緊急性の高い状況に適しています。

電気保安協会

電気保安協会は、電力会社からの委託を受けて、家庭や店舗の電気設備が安全に使われているかを点検・調査する機関です。漏電が疑われる場合、その原因を特定するための調査を行います。

ただし、その役割はあくまで安全調査であり、修理工事は行いません原因が特定された後は、別途電気工事会社に修理を依頼する必要があります。

費用

電力会社からの委託業務であるため、多くの場合、調査は無料で行われます。

最適なケース

「最近、電気代が急に高くなった気がする」といった緊急性の低い漏電の疑いがある場合や、修理を依頼する前にまずは原因をはっきりさせたい場合に適しています。

急を要さない状況であれば、まずは無料調査が可能な電気保安協会に相談し、その診断結果をもとに修理を検討するという段階的なアプローチが有効です。

電力会社(東京電力・関西電力など)

多くの方が最初に思い浮かべるかもしれませんが、原則として電力会社は個別の家庭内の漏電には対応しません。

電力会社の管理範囲は、電柱から家屋に電線が引き込まれる「引込線」までです。家の中の配線や電気設備は、その家の所有者の責任範囲となるため、電力会社は直接の調査や修理を行わないのが一般的です

ただし、関西電力のように、顧客サービスの一環として24時間365日のトラブル駆けつけサービスを提供している場合もあります。ただし、これは標準的なサービスではないため、ご契約の電力会社のウェブサイトなどで確認が必要です。

それでも、基本的には電気工事会社か電気保安協会が連絡先と覚えておきましょう。

【賃貸物件にお住まいの方へ】最優先事項:必ず大家・管理会社へ連絡を

賃貸アパートや賃貸住宅にお住まいの場合、漏電が疑われたら何よりも先に大家さんや管理会社に連絡することが鉄則です。これは単なる推奨ではなく、契約上および金銭上のトラブルを避けるための非常に重要なルールです。

建物の設備に関する責任の所在は、賃貸借契約によって定められています。漏電の原因が、入居者の過失(例:水をこぼした)ではなく、建物の配線や設備の老朽化など元々備わっている設備に起因する場合、その修理費用は大家さんや管理会社が負担するのが一般的です。

もし、大家さんや管理会社に無断でご自身で電気工事会社に修理を依頼してしまうと、後からその費用を請求しても支払いを拒否される可能性があります。まずは状況を伝え、指示を仰ぐことが、ご自身の金銭的負担をなくし、問題をスムーズに解決するための最短ルートです。

連絡する前に!自分でできる安全な漏電チェックと応急処置

連絡する前に!自分でできる安全な漏電チェックと応急処置

専門業者に連絡する前に、ご自身で安全に漏電箇所を特定できる場合があります。この手順を行うことで、業者に的確な情報を伝えられ、スムーズな対応につながります。ただし、作業は危険を伴う可能性があるため、以下の注意点を必ず守ってください。

【重要】安全のための注意点

  • 作業前には、分電盤(ブレーカー)の周辺が水に濡れていないことを確認してください。
  • 感電防止のため、乾いたゴム手袋を着用することを推奨します。

焦げ臭いにおいがする、煙や火花が見えるといった異常がある場合は、絶対に分電盤に触らず、直ちに消防署(119番)と電気工事会社に連絡し、安全な場所に避難してください。

分電盤(ブレーカー)の基礎知識

まず、分電盤にある3種類のブレーカーの役割を理解しましょう。

ブレーカー種類 見分け方 役割
アンペアブレーカー 分電盤の左側にある一番大きなスイッチ 電力会社との契約アンペア数以上の電気を家全体で同時に使用すると作動し、家全体の電気が切れます
漏電ブレーカー 中央付近にあり、「漏電遮断器」と表示 回路のどこかで漏電を検知すると作動し、感電や火災事故を防ぎます。これが落ちた場合は漏電の可能性が非常に高い
安全ブレーカー 右側に並んだ小さなスイッチ群 キッチン、リビング、エアコンなど、部屋や回路ごとに分かれています
特定の回路で電気を使いすぎたり、ショートしたりすると、その回路の電気だけが切れます

分電盤は単なる電源スイッチではなく、家の電気の異常を知らせる診断装置の役割も果たしています。どのブレーカーが落ちたかによって、トラブルの原因を推測することができます。

例えば、安全ブレーカーだけが落ちた場合は、その部屋での電気の使いすぎ(容量オーバー)が主な原因です。しかし、漏電ブレーカーが落ちた場合は、より危険な電気の漏れが発生していることを示しています。この違いを理解することが、適切な初動対応につながります。

漏電箇所を特定する4ステップ手順

以下の手順で、どの回路で漏電が発生しているかを特定します。

  1. アンペアブレーカーを含め、すべてのブレーカーのスイッチを「切」にします。
  2. 一番左の「アンペアブレーカー」と中央の「漏電ブレーカー」のスイッチを「入」にします。
  3. 右側に並んでいる「安全ブレーカー」のスイッチを、一つずつゆっくりと「入」にしていきます。
  4. ある安全ブレーカーを「入」にした瞬間に、再び漏電ブレーカーが「切」に落ちたら、その安全ブレーカーが担当する回路(特定の部屋や家電)で漏電が発生しています。

特定後の応急処置

漏電している回路が特定できたら、以下の応急処置を行います。

  1. 原因と特定された部屋や家電の安全ブレーカーは「切」のままにしておきます。
  2. 再度アンペアブレーカーと漏電ブレーカーを「入」にすれば、問題のない他の部屋や回路の電気は復旧し、使用することができます。
  3. 漏電している回路の部屋にある、コンセントに接続されているすべての電化製品のプラグを抜いてください。
  4. 電気工事会社に連絡する際に、「XXXX(例:リビング)の回路で漏電しているようです」と具体的に伝えることで、業者の作業効率が上がり、結果的に調査時間の短縮につながる可能性があります。

この手順は、あくまで漏電箇所を「特定」し、安全を確保するための応急処置です。漏電の根本的な原因(配線の損傷や家電の故障など)が解決したわけではありません。

特定後は必ず専門家による点検と修理を依頼してください。

漏電修理の費用はいくら?内容別の料金相場

漏電修理の費用はいくら?調査・修理内容別の料金相場

漏電修理を依頼する際、最も気になるのが費用です。総額は、初回の「調査費」と、原因に応じた「修理・工事費」の合計で決まります。以下に、作業内容別の費用相場をまとめました。

作業内容 費用相場 費用に影響する要因
漏電調査費 8,000円 – 30,000円
  • 業者
  • 時間帯(深夜・休日料金)
  • 調査の難易度
ブレーカー交換 20,000円 – 40,000円
  • ブレーカーの種類・性能
  • 分電盤の改造の要否
コンセント・スイッチ交換 4,000円 – 9,000円
  • 交換する箇所数
  • 防水コンセントなど特殊な製品の場合
配線修理・部分張替え 20,000円~
  • 壁内や天井裏など作業場所のアクセス
  • 建物の構造
出張費・基本料金 3,000円 – 8,000円 料金体系に含む場合と、別途請求される場合があります。

悪徳業者に注意!業者選びの3つのポイント

漏電は緊急性が高いため、消費者の不安に付け込む悪質な業者も存在します。信頼できる業者を選ぶために、以下の3つのポイントを必ず確認してください。

資格を確認する

電気配線の工事には、「第二種電気工事士」以上の国家資格が法律で義務付けられています。業者のウェブサイトで資格保有者が在籍しているか、または訪問した作業員に資格者証の提示を求めましょう。

事前に見積もりを取る

作業を始める前に、必ず作業内容と費用の内訳が明記された見積書を提示してもらいましょう。「やってみないとわからない」といった曖昧な説明で作業を始めようとする業者には注意が必要です。

相見積もりを検討する

緊急でなければ、2〜3社から見積もりを取る「相見積もり」が有効です。料金や対応を比較検討することで、適正価格を把握し、納得のいく業者を選ぶことができます。

Googleの高評価クチコミを元に大阪市信頼できる電気工事店

【知らないと損】漏電による火災や故障は火災保険が使える?

【知らないと損】漏電による火災や故障は火災保険が使える?

多くの火災保険契約では、漏電が原因で発生した「不測かつ突発的な事故」による損害は補償の対象となる可能性があります。ただし、適用にはいくつかの重要な条件があります。

保険が適用されるケース

漏電によって火災が発生し、建物や家財が損害を受けた場合、これは最も典型的な補償対象となります。火災による損害として保険金が支払われます。

また、漏電による電化製品の故障は「電気的・機械的事故担保特約」といった特約を付帯している場合に補償の対象となることがあります。一般的に、エアコンや給湯器など建物に固定された設備が対象となり、テレビやパソコンなどの持ち運び可能な家電は対象外となることが多いです。

火災保険でエコキュートは修理できる?適用条件と申請手順を徹底解説

保険が適用されないケース

火災保険は予期せぬ事故を補償するものであり、予測可能な「経年劣化」による損害は補償対象外となるのが一般的です。例えば、長年の使用で老朽化した配線が原因で漏電した場合、「突発的な事故」とは見なされず、保険金が支払われない可能性が高いです。

また、破損したコードを使い続けるなど、危険性を認識しながら放置した結果として発生した損害は、重大な過失と見なされ、補償の対象外となります。

保険申請を成功させるための重要なポイント

保険金請求が承認されるかどうかは、漏電の原因が「経年劣化」ではなく「突発的な事故」であったと証明できるかにかかっています。その鍵を握るのが、電気工事会社が作成する「調査報告書」や「見積書」です。

業者に調査を依頼する際には、「火災保険の申請を検討している」と明確に伝え、漏電の原因についてできるだけ詳細な報告書を作成してもらうよう依頼してください。例えば、「ネズミが配線をかじったことによる突発的な損傷」や「予期せぬ外壁からの雨水侵入によるショート」といった具体的な原因が記載されていれば、保険会社に「突発的な事故」として認められやすくなります。

保険申請の流れ5ステップ

保険申請の一般的な流れは以下の通りです。

  1. 損害が発生したら、速やかに契約している保険会社に連絡します。
  2. 電気工事会社に漏電の原因調査と修理の見積もりを依頼します。
  3. 業者に、原因、被害状況、修理内容を明記した報告書・見積書を作成してもらいます。
  4. 保険会社から送られてくる請求書類と、業者から受け取った書類を合わせて提出します。
  5. 保険会社による書類審査や現地調査を経て、補償額が決定され、保険金が支払われます。

まとめ

漏電は、火災や感電といった重大な事故につながる可能性がある非常に危険な現象です。しかし、その兆候に気づいたときに落ち着いて正しく行動することで、被害を防ぐことができます。

漏電が疑われる場合、戸建てや分譲マンション(自室のみ)は電気工事会社へ。賃貸物件にお住まいの方は、必ず最初に大家さん・管理会社へ連絡してください。

そして、修理は必ず「電気工事士」の資格を持つ専門家に依頼してください。作業前に必ず見積もりを取り、高額請求などのトラブルを避けるためにも、信頼できる業者を慎重に選びましょう。

クチコミからおすすめの電気工事業者が選べる当サイト「電気工事業者選びのセーフリー」を使って、信頼できる業者を見つけて、まずは見積もりを取ることから始めてみましょう。

漏電は怖いトラブルですが、この記事で得た知識があれば、いざという時にも冷静かつ的確に対応できるはずです。ご家庭の電気の安全を守るため、日頃の予防策と合わせて、このガイドをお役立てください。

よくある質問

漏電ブレーカーが落ちました。自分で分電盤を操作するのが怖いのですが本当に安全なのでしょうか?

作業前に分電盤周りが濡れていないことを確認し、乾いたゴム手袋を着用すれば安全にチェック可能です。ただし、焦げ臭い匂いや煙が見える場合は絶対に触らず、すぐに専門業者と消防署に連絡し避難してください。安全第一で、少しでも危険を感じたら無理せず専門家を呼びましょう。

業者に見積もりを依頼したら、思ったより高額でした。これって適正価格なのでしょうか?

漏電修理は緊急性が高いため、高額請求トラブルも残念ながら存在します 。適正価格か判断するために、可能であれば2〜3社から見積もりを取る「相見積もり」をおすすめします。また、作業前に必ず内訳が明記された見積書を提示してもらい、内容に納得してから契約することが重要です。

賃貸アパートで漏電しているようなのですが、大家さんに連絡したら修理費用は自己負担になりますか?

漏電の原因によります。ご自身の過失(例:水をこぼした)でなければ、多くの場合、建物の設備老朽化などが原因と見なされ、修理費用は大家さんや管理会社の負担となります。そのため、ご自身で業者を呼ぶ前に、必ず大家さん・管理会社に連絡し、指示を仰ぐことが金銭的トラブルを避ける上で非常に重要です 。